「宵の小樽運河」
先日の小樽行き。
小樽運河でのこと。
なんとなく風景を眺めていた時のこと。
もう夕方でしたが人気のスポットだけあって入れ代わり立ち代わり観光客が訪れます。
カップルから団体さんまでそれはもうたくさんの人たちが。
そんな中、ずっとベンチに座っている女性に気づきました。
その方はどうやら一人らしく、ただただずっと座っているのでした。
そうして街に灯りがともり始め、水面の揺らぎが輝き始めたころ、その女性はおもむろにベンチから立ち上がり、運河の柵に手をかけて、じっと水面を眺め始めたのです。
ずっとその時を待っていたかのように長い間、飽きずに運河を見続ける女性。
「なんだか絵になるなぁ・・」なんて思っていたらあるタイミングで周りの観光客がパッタリいなくなって、橋の上には自分とその女性だけになりました。
その女性の周りだけ、なんだか時間が止まったかのような静かな美しさがあって、その後ろ姿に思わずカメラを向けたのでした。
小樽での3日間、自分の中にしみ込んだ街の音、空気、匂いなど、情景のすべてがこの写真の中に凝縮されているように感じるのです。
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