私のムーミン好きを知った方から、ヤンソンの原作本をまず1冊読むならどれ?という質問を受けることがあります。
そんなときに迷わずオススメするのは
「ムーミン谷の仲間たち」です。
この本は私自身旅のお供にしたり、なんだかんだいっても一番多く読んでいる1冊。
短編集なので、ちょっとした時に読みやすく、それでいて「ムーミン」の世界観やエッセンスがしっかり詰まった「幕の内弁当」のような本だと思っています。
アニメ「楽しいムーミン一家」で観ることのできるお話もいろいろ入っています。
有名なところでは
「目に見えない子」、姿が消えてしまった女の子
「ニンニ」の話。
「春のしらべ」、スナフキンに名前をつけてもらうことによって自己を見出した
はい虫(ムーミンに登場する小動物たちは、よく「はい虫」と呼ばれます)
「ティーティ=ウー」の話。
そしてアニメでも人気の高いと聞く
「世界でいちばんさいごのりゅう」もこの中にあります。
その他の話もどれも味わい深くて、正直コレは子供にはわからないのでは・・?というお話も多いです。
個人的に好きなのは、
「ニョロニョロのひみつ」。
なぜか訳者が解説文で「失敗作」といっているのですが、私はこの中のムーミンパパの心境にとても共感できたのです。
それはある日突然自分自身を見失ってしまったようなムーミンパパが、思うままにニョロニョロたちと旅を共にするうちに、もう一度自分を取り戻すお話しです。
これ等はみんな短いお話ですが、それでものの本を開けば、「ムーミン」のあの独特な世界へすぐに連れて行ってくれるのです。
そして最終的に他の本も全て読んだ後にまたこの本をよむと、さらに味わいが深まっていたりします。
そして、上の画像の文庫版(カバーはどこかにいってしまいましたが・・)以外にも、我が家には数種の「ムーミン谷の仲間たち」があります。
日本語のハードカバー
ヤンソンの原著ともいえるスウェーデン語版
私個人が装丁をいちばん気に入っているフィンランド語版
英語版
・・もちろん日本語以外は読めないんですがこの作品好きが高じて集まってしまいました・・。
本当に良い作品ですから、まだ読んでいないかたにはぜひともオススメしたいです。