
毎年のことなのですが、公私共に超多忙になるこの時期・・。
ブログもほったらかしの此の頃なんですが、そんな中、妻と映画を観にいってきました。
この映画、原作小説のことは知らなかったのですが、以前予告編を観て、なんともストレートな
「悪人」というタイトルが印象的で、興味があったのです。
公開直前に、外国の映画祭で深津絵里さんが賞をもらったという報道があったので、これは混雑するのでは・・?と不安になり、近所の映画館の、初日の初回を早々に予約しておきました。
実際はもちろん空いてはいませんでしたが、心配したほどの混雑ではありませんでした。
タイトルが「悪人」なのですから、やはり「悪人」といわれる人間像が描かれるのだろう・・と思っていましたが、実際は、ある殺人事件を幹として、大なり小なりそこに絡む人たちの姿を見せながら・・、本当の意味での「悪人」とは?・・と、観ている側に問いかけるような、そんな作品でした。
現実的に「悪」とされる行動や結果が、人物そのものにそのまま当てはまるものなのか?というようなことは、確かに少し視点を変えてみれば簡単には判断できなくなります。
ラストまで・・たえずそういった疑問を投げかけてくるような映画でした。
しかし、主演級から脇役まで、魅力的な登場人物がたくさん登場しています。
個人的にも好きなシーンはたくさんありますが、中でもバスの運転手さんと樹木 希林さん演じる、主人公のおばあさんのシーンなど、とても印象的。
とにかく実力派の俳優さんが作品の隅々まで支えていて、主演の2人についても、深津絵里さんが賞をもらったとはいえ、地味ながら緊迫感がある妻夫木聡さんが作り出す空気がベースにあってこそのものだと感じました。
最近の邦画は本当に良いものが増えてきて、なんだかうれしくなります。
今回はちょっと寂しいお話しですが、なんだかココロにしみてくる情感もあるこの作品は、DVDになったら何度も観てしまいそうな、そんな1本でした。